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【書評】AIに仕事を奪われるのか?10年後に食える仕事食えない仕事

どんな人に読んでもらいたいか

AIってなんだろう?これから人類はAIに仕事を奪われるってよく聞くけど本当かな?そもそもAIって何ができるの?AIに仕事を奪われない人ってどんな人?

こんな不安を抱えている方たち、またはこれからのキャリアを選択する上でAIと人の関わりについてもっと知っておきたい方々にぜひ読んでいただきたい本。

しかしながら本書の内容は単純にAIと人の関わりに留まらず、日本の労働生産性の低さ、超高齢化社会を始めとした社会の課題や他国との相違点など幅広い分野に言及しているのでビジネスパーソンやこれから就活を行うという方々にもぜひ手に取っていただきたいです。

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序章

『100年後人類は歴史上はじめて、余暇をどう楽しむか悩むようになる』

英国の経済学者ケインズの1930年の言葉で本書はスタートする。

このケインズ予言である2030年を後10年で迎える時代まで来ているが、果たして日本人は余暇をどのように過ごすか悩むようになるのだろうか?

 

現実の世界においてはコロナ過によるリストラが心配されている状況ではあるもののケインズが予言したような余暇をどう楽しむか悩むなどという優しい世界は想像しにくい。

ましてコロナの今後の動きは誰にも予想ができず先の見通せない時代になっている。

 

しかしながらそんな中でも科学の進歩は止まることは無く本書のメインテーマであるAIに関しても日夜研究が進められ次々と新しい技術が生み出されていくだろう。

 

直近の話題で言えばメガバンクが次々と大規模なリストラを発表しつつ、多くの窓口を閉鎖している。口座の開設や窓口での相談業務は世代が若くなればなるほどインターネットで完結させることを望み窓口に足を運ばなくなるので今後も縮小が続くだろう。

 

このような例を交えながら本書は今後の10年で食える仕事と食えない仕事を分類していく。

 

本書の概要

1 人間の強みとは

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著者は経済学者が机上で考案した理論ではなく、実際に現場の労働者と対話をした上で、「この労働は機械で代替が可能か否か?」「その根拠は?」と議論を深めたうえで人間の強みをまとめている。著者が結論としている人間の強みは①創造②感情③信用④手先⑤ボディの5つである。これら5つの強みを持つ仕事は機械での代替が困難だという主張である。

①の創造のみ説明を加えると0⇒1を生み出す能力、いわゆる創造力といわれる分野である。

この0⇒1の能力は人の脳がどのようなプロセスで行っているのかまったく解明されていない。解明されていないということはAIに再現させることも出来ない。つまりAIに取って代わられる心配の少ない仕事ということになる。

 

2 機械の強みが生かせる仕事

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反対に機械の強みが生かせる仕事とはどんな仕事か?これはかなり明確である。①業務に必要十分な情報を「デジタル形式」で取得できる②AIが分析できる範囲内である(指数爆発を起こさない)③物理的に執行環境が整備されている。

まず①だがAIはなんといっても機械である。なのでデータがデジタル化されないと処理できない。②として分析はAIの最も得意とする分野である。③が重要で本書で例示されているのは例えば空港での防犯体制などで、監視カメラなどのデータを分析してテロリストなどの犯罪者を割り出すことは①②でAIが可能にする。しかしながら③の執行環境に関してはAIにテロリストを捕らえることはできない。人間を捕まえることができるのはあくまでも人間である。AIに仕事をさせたいならあくまでも③の執行環境が整わなくてはならないと本書では指摘している。

 

3 具体的に食える仕事と食えない仕事f:id:kaisyainarekore:20200925172012j:plain

本書では仕事5つのパターンに分類している。

①ロボティクス失業⇒単純な定型作業でAIでの置き換えが現実的に起こりうる仕事群

②手先ジョブ⇒人間の手先が必要不可欠で機械での置き換えが困難

③職人プレミアム⇒人間が作業することにこそ価値が生じる。結果として機械での置き換えは起こらない

④AI・ブロックチェーン失業⇒情報処理という観点から機械への置き換えが進む。人は少数の管理者が残るのみ

⑤デジタル・ケンタウロス⇒上半身が人間、下半身が馬のケンタウロスという架空の動物になぞらえAIを馬のように使いこなす職業

 

まとめ

どんな仕事が①~⑤のどこに分類されているのか?自分の仕事は本書では分類されていないがどこに当てはまるのか?AIやブロックチェーンといった技術に置き換わる可能性はあるのか?著者は本書の中で多数の職業の特徴を紹介しつつ、その仕事がなぜAIや機械に置き換わる可能性があるのか?どのような仕事を選択することで置き換わる可能性を減らすことができるのか?に触れている。ぜひ本書で確認してもらいたいと思います。

 

著者紹介

著者:渡邉 正裕(まさひろ)

略歴:ニュースサイト『My News Japan』(mynewsjapan.com)のオーナー、編集長、ジャーナリスト。1972年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、日本経済新聞記者、日本IBM(旧PwCコンサルティング)のコンサルタントを経て、インターネット新聞社を創業。一貫して「働く日本の生活者」の視点から、雇用・労働問題を取材、分析、提言。著書に『10年後に食える仕事食えない仕事』『35歳までに読むキャリアの教科書』『若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか』『トヨタの闇』など多数。