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【要約と書評】苦しかったときの話をしようか?_就活生やキャリアに悩むすべての人へ

 

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この記事はこのような方にオススメ

・書籍『苦しかったときの話をしようか』の内容をざっくり知りたい

・これから就職活動を始めるがどのように志望企業を選ぶか分からない

・今現在働いているが今のキャリアのまま進んで良いのか?どうすればいいか悩んでいる

 

就職活動をしなければならないけれどもどのように企業を選べばいいのか分からない

分からないから適当に知っている企業を選んでいる

何となく大きな会社にしようとしている

親や周囲が進めてくれた企業を選んでいる

今の仕事は好きではないけど特にやりたいことも無いので今の会社にいる

将来に対して漠然とした不安はあるがどうしたら良いのかは分からない

転職活動をしようにも企業選びの軸が無い

 

こういった悩みを抱えている人は多いと思います。

 

本書はそういった『キャリアに悩む人』に対して一定の答えを示してくれています。

 自分は今の仕事が天職だと思っているので一切の迷いが無い。

他のキャリアなんて1㎜も考えていないという人以外は全員読んだ方がいです。

 今回は本書の中でも特にお伝えしたいと思った部分をまとめました。

 

この記事でわかること

・書籍『苦しかったときの話をしようか』のざっくりとした内容

・就職活動の際の企業の選び方

・キャリアの方向性の決定方法

・仕事において苦しくなる場面とその対処法

 

 

 

「苦しかったときの話をしようか」著者の紹介

 

本書の著者は「森岡毅(つよし)」さんという方です。

 

1972年生まれ。神戸大学経営学部卒業。1996年にP&Gに入社し、その後、日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャー、ウエラジャパンの副代表等を経て2010年に合同会社ユー・エス・ジェイ(ユニバーサルスタジオジャパンの運営会社)に入社します。

 

当時低迷していたユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に革新的なアイディアを次々に投入し窮地にあったUSJをV字回復させたことで有名です。

 

2012年よりUSJチーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長。

2017年にUSJを退社しマーケティング精鋭集団「刀」を設立しました。

現在は「マーケティングで日本を元気に」という大義の下、仕事をされています。

 

経歴からも分かる通り基本的にはプロのマーケターという肩書の方です。

またマーケティングという言葉を定着させた一役を担った方だとも言えると思います。

 

 

本書の成り立ち

 

本書は、森岡さんが就職活動に悩むご自身の娘さんにアドバイスをしたいが、直接会話するとお互い感情的になりやすいので手紙という形でアドバイスを送ろうとしたことがきっかけに生まれた書籍ということです。

 

森岡さんが娘さんのために書き溜めていた文章をたまたま編集者に見せたところ森岡家の中だけに留めておくのは非常にもったいないので是非世の中に出しましょうということで書籍化されたそうです。

 

全編をとおして父から娘に語り掛けるようように書かれているのはそのためで、非常に読みやすい文章になっています。

 

第1章 やりたいことがわからなくて悩む君へ

 

第1章ではやりたいことがわからなくて悩む方々への一番基礎となるアドバイスが記載されています。

就活のタイミングの大学生や就職したばかりの若い方だと自分のやりたいことが分からないと悩んでいる方も多いと思います。

また、ある程度のキャリアを積んだ方でも結局今の仕事がやりたいことかどうかなんて分からないまま働いている方もたくさんいらっしゃると思います。

本章ではそんな方々に対して一つの指針のようなものを示す内容となっています。

 

やりたいことがわからないのはなぜか?

 

世の中の方のほとんどの人は自分のやりたいことが分かりません。

就活する段階で自分のやりたいことが分からなくて悩んでいる方もいるかもしれませんが大丈夫です。

今普通に仕事をしている大人でもやりたいことが分からないまま仕事をしている人はたくさんいます。

 

そんな悩める人に森岡さんが示すのは「やりたいことが分からないのは自分の中に軸がないから」ということです。

 

仮にやりたいことが分からない人に「世の中にはこんなにたくさんの仕事があるからどれでも選んでいいよ」とすべての仕事の内容を教えて好きに選ばせた場合すんなり選べるでしょうか?

逆に何でも選べるとなるとますます悩んでしまい選べなくなるのではないでしょうか?

それはやはり「自分の軸がないから」だということです。

軸がないままにあれこれ企業情報を調べたり、周囲の話を聞いて情報を増やしても迷うだけです。

では軸とは何なのか?軸についてもう少し詳しく例示すると「地元で安定した生活をしたい」「とにかく沢山のお金を稼ぎたい」「車が好きだから自動車業界がいい」というようなことです。

そしてこれが大事だと思うのですが、人にとって大切な軸は必ずしも一つでは無いということです。

本書において重要視しているのはその時その時で自らの軸の中でも最優先するのは何かということを決めることです。

仕事をする上で軸となる部分について一度決めたら変えないというようなものではなく、自身のライフスタイルの変化に対応して軸も変わっていくものです。

簡単な例だと独身の間は自らのキャリアを最優先に考えているけれども、子供が生まれたら家庭を最優先に考えるなど、ライフステージに応じて自身の軸は柔軟に変更していくものだと思います。

 

会社と結婚するな、職能と結婚せよ!

 

会社に依存するのではなく自分自身のスキル(職能)を磨くべきというのは近年では特によく言われることです。

 

本書ではその理由を大きく2つあげています。

その書き方には辛辣な表現もありますが非常に本質的だと思います。

 

・どれだけ自分が会社にほれ込んでも会社は君と結婚してくれない

 

会社はあくまでも社員とは無関係の利害で存在しているのでどれだけ会社のことが好きで惚れ込んでいても永遠に片思いです。

時には会社都合で放り出されたり、会社そのものが消滅したり、買収されて社風がまったく違うものになったりします。

どんな会社でも10年、20年の間にはさまざまな変化が訪れるので当初惚れ込んだ会社のままずっといてくれると思うのは幻想です。

 

・スキルこそが維持可能な個人の財産となる

 

人にはさまざまな財産がありますが、不動産は焼けてしまうかもしれない、お金は失うかもしれない、配偶者でさえ離婚や死別の可能性あります。

一方で自分が身につけたスキルだけは健康である限り自分の生活の糧を生み出してくれる財産となります。

 

AIが台頭してきたらスキルが陳腐化すると反論する人もいるようだが、スキル以上に頼りになる資産はあるのか?と本書は問いかけます。

またAIの台頭でスキルが陳腐化することを恐れるのならばAIに陳腐化されないスキルを選ぶべきだとも投げかけています。

 

AIの台頭によってどのような職能が危なくなるのかはこちらの記事を読んでください。

【書評】AIに仕事を奪われるのか?10年後に食える仕事食えない仕事 - 会社員のあれこれ

第2章 学校では教えてくれない世界の秘密

 

第2章ではそもそも学校で教える世の中と現実は違うということを記してあります。

日本という国の教育システムは学生(特に高校生まで)の間は世の中の現実よりもあるべき論や理想を教える風潮にあると思います。

それはそれで必要なことだと思いますが現実は違います。

世の中に社会に出て初めて分かる様々な真実があるので森岡さんは本書でその一端を伝えてくれています。

 

そもそも人間は平等ではない

 

学校では「人間は、みんな同じ、平等」だと教えられてきたが、実際のこの世界は明らかに真逆であり「人間は、みんな違って、極めて不平等」です。

 

基本的人権の話をしているのであれば「人間はみんな平等」という教えで構わないが、ビジネスにおいては絶対的に人間は不平等になります。

 

自らのキャリアを考える上ではそもそも人間は外見的特徴においても、生まれた環境、育った環境、教育の機会、知力において不平等な存在であるが、それを理解し、自らのユニークな特徴を認識すべきである。

 

自らがコントロールできる変数は、

①自分の特徴の理解

②それを磨く努力

③環境の選択

最初からこの3つしかない。

 

この事実を直視することが自分にとってのキャリアの勝ち筋を見つけるスタートラインとなります。

 

資本主義の本質

 

日本は資本主義の社会です。資本主義の社会において人間は大きく分けて2種類です。

自分の24時間を使って稼ぐ人と、他人の24時間を使って稼ぐ人です。

前者を「サラリーマン」と呼び、後者を「資本家」と呼びます。

資本主義の社会とは文字通り、後者の資本家のために作られた社会です。

言い換えるとサラリーマンを働かせて、資本家が設ける構造になっています。

 

サラリーマンと資本家における生涯年収は大きく違います。

 

一方でサラリーマンと資本家の間で能力に大きな差はあるか?というと森岡さんは決してそんなことな無いとしています。

森岡さんもサラリーマンとして働いてきた中で沢山の優秀な人に出会い、決してサラリーマンが資本家に劣っているわけでは無く、多くのサラリーマンはただ資本家になる道を知らないだけだと。

 

また日本の教育システムは大量の優秀なサラリーマンを生み出す構造になっています。

遅刻しない、宿題は期日までに終わらせる、周囲に同調するなど「規律ある歯車」を生み出すのを良しとする教育システムになっています。

一方で資本家になる人間は「規律ある歯車」であることを良しとしない人間たちです。

自ら仕組みを創り出し「規律ある歯車」を雇うことで大量の富を得るという構造になっています。

 

ただし、資本主義の本質はそのような構造だと指摘しつつ、本書では資本家の欲を否定するわけでもサラリーマンの人生を否定するわけでもないし、世の中のすべての人が資本家を目指すべきでもないとしています。

世の中、資本主義とはそういう構造であり、サラリーマンの外の世界には資本家の世界が広がっているという構造は知っておくべきだと結んでいます。

 

年収を決める法則

 

サラリーマンとして仕事をするなら職業を決めた瞬間に年収もほぼ決まってしまいます。

そのことを知らないまま就職してしまうことは非常に不幸なことです。

本書では年収を決める3つのドライバーが紹介されています。

 

一つめのドライバー「職能の価値」

 

一つ目は職能の価値です。

モノの値段を決めるのは需要と供給のバランスです。

年収も同様で本人の持っている職能(スキル)の価値が「希少価値が高く代替の効きにくいスキル」であればその価値は高まります。

就職するということはその会社での仕事を通して何かのスキルを身につけるということなのでその会社で働くことでどんなスキルが身につくのかということは意識しておくべきです。

 

2つめのドライバー「業界の構造」

 

2つめは業界の構造です。

よく言われることですが「儲かる業界と儲からない業界」ということですね。

平均年収の高い企業のランキングには常に同じ業界が並んでいます。

これは業界自体の構造で儲かる儲からないがある程度決まってしまうからです。

自分の軸として年収に重きを置く人は最初から儲かる業界を選ばなければ高い年収を望むのは難しいです。

 

3つめのドライバー「成功度合い」

 

3つめのドライバーの成功度合いはそのまま本人の成功度合いを示しています。

自分で店を持つならその店の利益、サラリーマンとして働くなら平社員なのか、部長なのかといった本人の成功度合いのことですね。

ただし、個人的には3つ目のドライバーよりも1つ目と2つ目のドライバーの方が年収に与える影響は大きいと思います。

 

第3章 自分の強みをどう知るか

 

この第3章がキャリア戦略のフレームワークとなります。

自身のキャリアに迷っている方はまずこのフレームワークに沿ってキャリアを考えてみるといいと思います

 

目的を立てる

 

まずは目的を立てましょう。

キャリア戦略においては文字通り目指したい姿、あるべき姿が目的となりその目的に向かってどのように進んでいくかが重要となります。

ただ目指したい姿と言っても自分自身の明確な夢を描くことが出来ている人はそんなに多くはないと思います。

そこに関してはざっくりでもいいし、仮設でもいい、将来変わってもいいのではまずは目的を作ってみましょう。

本書ではこの目的作りのためには”具体的なこと”を決めようとすると悩んでしまい行き詰る可能性があるので、なりたい自分の“状態”を創造することをアドバイスしています。

 

強みをどうやって見つけるのか?

 

目的が定まった場合にはその目的に向かうためにも自分の強みを認識し、その強みを磨き伸ばしていかなければなりません。

その強みを認識する方法として「強みは必ず好きなことの中にある」という考えです。

まずは自分の「好きなこと」を思いつく限りポストイットなどに書き出してみましょう。

この「好きなこと」は「議論をするのが好き」や「誰かのお世話をするのが好き」など動詞限定です。

そしてその「好きなこと」=「~すること(動詞)」を最低50個は書き出してみましょう。

バッグが好きやリンゴが好きという名刺は無しです。

そしてその動詞群をT(Thinking)、C(Communication)、L(Leadership)に分類することで自分はどのタイプが秀でているのか?どこが苦手なのかが見えてきます。

 

TCLの分類の詳細

 

Tの人/考える力、戦略性が強み

典型的な動詞:考えることが好き、問題を解くのが好き、議論することが好き、作戦を考えるのが好き、数字や計算することが好き、勉強することが好き、分析することが好き

 

Cの人/伝える力、人と繋がる力が強みとなる

典型的な動詞:知り合いが増えることが好き、人と会うのが好き、話すことが好き、話を聞くことが好き、SNSで多くの人と繋がるのが好き、パーティーや飲み会が好き、

 

Lの人/変化を起こす力、人を動かす力が強みとなる

典型的な動詞:何かを達成することが好き、高い目的を定めて挑戦することが好き、仕切ることが好き、変化を起こすことが好き、決めるのが好き、引っ張っていくことが好き、

 

強みは何か?

 

抽出した動詞を3分類に振り分けてみよう。

ただし、「寝ることが好き」や「食べることが好き」はたいていの人が好きなのでその他に除外します。

50~100の動詞を仕分けた時に最も集中している場所が自分の強みとなります。

 

1か所に集中する人

1か所に好きな動詞が集中している人は強みが非常にクリアになっているのでその強みが生かせるスキルを選んでそのスキルが磨ける職場を選べば大丈夫です。

 

2か所に集中する人

2か所に集中している人は逆に残りの1か所が弱点になる可能性があるのでそのスキルは必要とせず、集中した2か所が生かせるような職場を選びましょう。

 

3か所に分散する人

3か所に分散する人は特徴がないようにも思えるが、実は何でもそこそこできるという特徴があることになります。

こうなると消去法が使えないので人一倍悩んでしまいがちだが、何でも満遍なくこなせないとつとまらないような職場を探しましょう。

 

それぞれに向いている職能

 

自らの特徴を理解し、その特徴が輝く仕事をしなければ自分の才能の無駄遣いになってしまいます。

そのためにもまずは自分で自分のことを深く知る努力をしましょう。

 

 

Tの人に向いている職能

知的好奇心をガソリンにして考える力を磨き成果を出す。その好循環でキャリアを作っていくのが基本戦略となる職能

全般的に有利なTの人ですが特に活かせそうなのは、ファイナンス、コンサルタント、研究職、各種士業、アナリスト、マーケティング、企画職など。

 

Cの人に向いている職能

強い対人コミュニケーション能力を武器に使い、人と人を繋げることで新たな価値を生み出していく職能

Cの人は人を相手にする職能全般で有利なので特に活かせそうなのは、プロデュース、営業、PR、広報、多くの関係者を巻き込む企画職、ジャーナリストなど。

 

Lの人に向いている職能

高い目的意識で自分が起点となって周囲を動かし組織に高いパフォーマンスを発揮させる能力を武器にキャリアを切り拓いていくのが基本戦略

Lの人に向いている職能の代表例としては、管理職、経営者、プロジェクトマネージャー、リーダーなどキャリアの出発点からそこに行くのはちょっと厳しそうなのが目立ちますね。

 

 

第4章 自分をマーケティングせよ

 

面接などでは誰しもが緊張してしまいますよね。

この章ではどうすれば少しでも緊張を和らげることができるかに言及されています。

 

大前提として「伝え方(HOW)」よりも「中身(WHAT)」の方が大切

 

世の中には面接対策などで「伝え方(HOW)」のテクニック本などがたくさん出回っていますが森岡さんの考え方としては、「伝え方(HOW)」よりも「中身(WHAT)」の方がはるかに重要という考え方です。

 

なぜならば伝える中身(WHAT)が0ならばどんな伝え方(HOW)を駆使した所で0は0にしかならないからです。

 

ではその中身(WHAT)をどう考えれば良いのか?

 

そこで大切なのが「誰に(WHO)」伝えるのか?ということです。

面接などではまず誰に伝える⇒何を伝える⇒どう伝えるの順番で重要であり、誰に何を伝えるの部分さえしっかりと考えていれば伝え方が多少たどたどしくても大丈夫だということです。

 

自分自身をブランド化する

 

緊張しないためには自分自身のブランドがどのようなものなのかを設計しておくことです。

 

ブランド設計しておくことのメリットは、自分自身がイメージするあるべき姿に沿って行動したり学習したりすることで段々と目指すべき自分自身に近づいていくというものです。

 

第5章 くるしかった時の話をしようか?

 

この本のタイトルにもなっている章です。

森岡さんが会社で働いている時に実体験をした「人はどういう時に苦しくなるのか?」「その時にどういった対処をすべきか?」が語られています。

 

劣等感に襲われるとき

 

誰しも体験することかもしれませんが社会人になりたての時には自分が何も出来なくて劣等感に襲われることがあります。

森岡さんもP&G入社時に周囲や上司が優秀すぎて劣等感に苛まれ電話を取ることが出来ないほど追い込まれたそうです。

このままでは自分が壊れてしまうと感じた森岡さんは上司に直談判した上で自らの仕事のスタイルを変えたそうです。

 

その変化とは農耕スタイルから狩猟スタイルへの変革です。

 

どういうことかというとそれまでは隅々までしっかりとフォローしていく農耕スタイルだったのですが、それでは仕事が回せないので100%隅々ではなく、全体の30%程度の重要度の高い仕事に集中して力を注ぐようにしたということです。

 

この発想の転換によって森岡さんは何とか周囲に迷惑をかけず苦しい時期を乗り越えたということです。

このような状態は特に仕事に慣れていない時期には誰にでも起こり得ることです。

そうならないために必要なのは「最初から肩の力を抜いて最後尾からスタートする自分をイメージするべき」ということです。

 

自分が信じられないものを人に信じさせるとき

 

森岡さんが初めてブランドマネージャーになった時に最初に手掛けた仕事はいわゆる「地雷案件」でした。

その案件を推進している本社のお偉いさん以外誰も認めていない商品を日本で売り込む案件を担当します。

森岡さん自身も売れると思っていない商品でしたが、ブランドマネージャーという立場上、自分自身にも周囲にも信じていると嘘をつき仕事を進めることになってしまったということです。

 

結果は想定通り最低で森岡さん自身のキャリアにも大きな傷がつき部下たちにも迷惑をかけてしまったと振り返っています。

 

この件で森岡さんが学んだことは①信念と行動を一致させるためには無力な会社員では駄目だということと②結果を出さないと誰も守れないということです。

 

まず、無力なサラリーマンでは駄目ということはどういうことかというと、仮に当時の時点で森岡さんが会社に絶対必要な人間だと認識されていたならば経営陣も森岡さんの意見に耳を傾けたはずですが、当時ブランドマネージャーに就任したばかりの森岡さんの意見は上司に一蹴され信じていないブランドの推進をさせられたということです。

「会社に対して意見を言いたいなら無力なサラリーマンでは駄目」というのはこういうことです。

 

もう一つ、結果をださないと誰も守れないというのは先ほどの『無力なサラリーマンでは駄目』に繋がりますが、会社から必要とされるためにはとにかく結果を出さないと駄目だということです。

結果を出していれば多少の軋轢があっても会社からは大切にされます。

森岡さんはこの件でリーダーは皆から好かれるよりも結果を出す存在であるべきだと主張されています。

 

まとめ

 

本書はその成り立ちが森岡さんから自分の子供へのメッセージです。

 

ですのでその内容は就活対策などではなく、長いキャリアという道のりを子供たちがどう渡っていけば良いのか導くような内容になっています。

 

そして厳しい現実から『アリとキリギリス』のアリになれ!というような内容です。

 

要約すると『目的に応じて、自分の特徴を強みに変えて、死ぬまで磨き続けろ』

そんな内容です。

 

でも現実の社会で一応の成功というようなキャリアを実現するにはキリギリスでは駄目なのは当然のことだと思います。

だからこそ就活生もキャリアに悩むかたも皆に読んで欲しい一冊です。