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【要約と書評】会計の世界史_会計500年の歴史が楽しく学べる。会計を学ぶ前の必読書

 

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会計ってほんとよく分からなくて嫌いなんですよね~

こちらの書籍で会計の歴史を知ると分かりやすいですよ

 
この記事はこのような方にオススメ

・とにかく会計の話しが苦手

・苦手だけど分かるようになりたい

・会計の歴史を学びたい

・会計の勉強をいつも挫折する

・とっつきやすい会計の本が知りたい

会計の知識は欲しいけど何を読んでもよく分からない。

何度も挫折している。

こういったビジネスマンの方は非常に多いと思います。

そんな方にこそおススメなのが本書です。

 

本書は銀行と簿記がイタリアで生まれた15世紀(レオナルド・ダヴィンチやヴェニスの商人の時代)から20世紀の財務会計やNPV、IRRまでストーリーが進みます。

無機質にPLやBSの仕組みを学んだり、NPVの計算方法を学んだりするよりも、なぜBSが必要なのか?なぜファイナンスという理屈が必要なのか?

ここを理解しておいたほうが同じ会計を学ぶにしても圧倒的に腹落ちするはずです。

特に今から会計を学ぼうとしている若手ビジネスパーソンやキャリアアップを目指す方には会計を学ぶ前にこそ読んでいただきたいと思います。

 

この記事でわかること

・書籍『会計の世界史』のざっくりとした内容

・会計という学問の進化の歴史

・章ごとのおおまかなまとめ

 

 

第1章 15世紀イタリア 銀行革命

本書の第1章は15世紀のイタリアが舞台となります。

登場人物は誰しもがよく知っているレオナルド・ダ・ヴィンチ。

本書では各章に誰しもが知っているような有名人やエピソードを盛り込むことでより読みやすく、身近に感じるような仕立てになっています。

この章では銀行がどのような必要性から誕生したかが描かれています。

第2章 15世紀イタリア 簿記革命

第二章では引き続きレオナルド・ダ・ヴィンチも登場しますが、新たにルカ・パチョーリという人物が登場します。

ルカは数学者でありその著書のなかで簿記の考え方を紹介することで簿記の普及に大きく貢献したと言われています。

さらにこの時代に活躍した商人がコジモ・ディ・メディチ。

この方の名前をご存知の人は多くないと思いますが、どこかで「メディチ家」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。

この方こそ「メディチ家」の一員でありこの時代に商売で大きく成功し簿記を活用された方です。

この章で「なぜ簿記という学問が誕生したか」が分かります

第3章 17世紀オランダ 会社革命

こちらの章ではあの有名な東インド会社が登場。

初めての株式会社の誕生です。

この17世紀で会社とは家族や知り合いの出資で行うものではなく、株主という見知らぬ人物が出資しあって成り立つものだという流れが出来上がります。

第4章 19世紀イギリス 利益革命

19世紀のイギリスでは蒸気機関が発明されたことで蒸気機関車が商売としてスタートしました。

その結果、莫大な投資をして商売をするということから固定資産が大きい株式会社の資金調達と運用という実験という意味もあったようです。

第5章 20世紀アメリカ 投資家革命

この章の主人公はアメリカ大統領ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ(JFK)。

ではなくそのお父さんのジョセフ・パトリック・ケネディです。

もともとアイルランドから移住してきたケネディ家がどのように成り上がり大統領を輩出するまでになったのかが記載されています。

この時代に「会計と監査のルール」が整備されていきました。

第6章 21世紀グローバル 国際革命

この章では世界有数の自動車メーカー、ベンツの生みの親「カール・ベンツ」を主人公に話が進み、資金調達のグローバル化、それに伴う国際会計基準の整備やIFRSの成り立ちなどから発展し、ファンドやEBITDAまで言及しています

第7章 19世紀アメリカ 標準革命

ここで本書の中の時間軸が少し戻り19世紀に戻ります

登場人物はスタンフォード、カーネギーやロックフェラーなど有名な実業家たちです。

この時代に会社の規模がどんどん大きくなり原価計算、フランチャイズ契約、標準化などの課題と共に「管理会計」と「財務会計」の考え方が生まれます

第8章 20世紀アメリカ 管理革命

20世紀のアメリカではルイ・アームストロングが活躍しジャズ・エイジと呼ばれる時代になりました。

そんな中であのマッキンゼーの創業に関わるマッキンゼー教授が管理会計の口座を開き、デュポン社が事業部制を開始することで「管理会計の時代」が始まったのです

第9章 21世紀アメリカ 価値革命

21世紀のアメリカではビートルズやマイケルジャクソンが登場します。

ただ登場するのではなく彼らのエピソードを交えて、将来の価値やキャッシュフローを考える「コーポレート・ファイナンス」という考え方が生まれた経緯が分かります。

まとめ

会計の勉強はどうしても無味無機質になりがちです。

ただ細かな会計のルールには一つ一つ生まれた意味があります。

その背景を理解することで少しでも会計の学びが楽しくなればと思います。

 

職種にもよりますが、会計の知識はビジネスにおいて知っていて得はあっても損はないので少しでも興味があればぜひ読んでみてください。

 

 

「会計の世界史」著者_田中靖浩の紹介

 

田中靖浩公認会計士事務所所長。

産業技術大学院大学客員教授。

1963年三重県四日市市出身、早稲田大学商学部卒業。外資系コンサルティング会社などを経て現職。

ビジネススクール、企業研修、講演などで「笑いが起こる会計講座」の講師として活躍する一方、落語家・講談師とのコラボイベントを手掛けるなど、幅広くポップに活動中。

主な著書に『実学入門 経営がみえる会計』『良い値決め 悪い値決め』『米軍人 人を動かすマネジメント』(以上日本経済新聞出版社)などがある。