・書籍『エッセンシャル思考』の内容をざっくり知りたい
・今よりも早く仕事をこなしたい
・どうすれば仕事を早くすることができるか分からない
・なぜかいつも忙しくなってしまう
・どうやって仕事を断ればよいか分からない
毎日大量の仕事に追われて残業が続いている
いつも仕事に追われているようで仕事のことばかり考えている
気の休まる暇がない
こういった悩みを抱えている人は多いと思います
本書はそういった『仕事が多くて終わらない、困っている方』に対してこそおススメの書籍になります
・書籍『エッセンシャル思考』のざっくりとした内容
・仕事の質を上げるにはどうすればよいか
・最小の時間で成果を最大にするためにはどうすればよいか
・どうすれば仕事を選べるのか
エッセンシャル思考とは何か
そもそも本書で提唱しているエッセンシャル思考とは何なのか?
エッセンシャル思考とは
エッセンシャル思考とはより多くのことをやり遂げる技術ではなく正しいことをやり遂げる技術のことです
エッセンシャル思考とそうでない人の違いは同じだけのエネルギーを使った場合、様々な方向にエネルギーを使ってしまうか、一つの方向にエネルギーを使うかの違いになります
バラバラの方向にエネルギーが割かれている人は当然それぞれの方向に少ししか進めませんが、一つの方向にエネルギーを向けている人はその方向により遠くまで進むことが可能になります
なぜ様々な方向にエネルギーが割かれてしまうのか
なぜ人は様々な方向にエネルギーが割かれてしまうのか?
筆者は優秀な人ほどこのパラドックスに陥りやすいと指摘しています
順をおっていくと、
第一段階
目標をしっかりと見定め成功へと進んでいく
第二段階
成功した結果として「頼れる人」になる
第三段階
周囲から頼られるあまりやることが増えすぎてエネルギーが拡散していき疲れてすべてが中途半端になる
第四段階
本当にやるべきことができなくなる
これが成功のパラドックスです。ジム・コリンズの名著『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』でも成功した企業の失敗の主な理由は「規律なき拡大路線」に陥ったことだと指摘されています
なぜやるべきことを見失うのか?
本来やるべきことを見失う理由にはいくつかあります
まずは選択肢が多すぎる。近年、人々の選択肢は急激に拡大しています。そのせいで大切なものが見えなりました。選択の機会が増えすぎると人は正しい決断ができなくなるものです
他人の意見がうるさすぎる。選択肢が増えただけでなく、他人からの口出しも非常に増えています。SNSでの過剰なつながりなどで自らの行動に他人がとやかく言う場面が増えすぎています
欲張りの時代。とにかくすべてを手に入れようとする時代です。テレビのCMではあらゆるものを手に入れろと煽ってきており、何でもできることを良しとされています。
こうした考え方に流されずに本当に大切なものに向き合うための思考がエッセンシャル思考です
オーストラリアのホスピスで死を迎える患者たちに最後に後悔していることを聞いた際、もっとも多くの患者が後悔していると回答したのは「他人の期待に合わせるのではなく、自分に正直に生きる勇気が欲しかった」です
自分に正直に生きるということは単にわがままになるということではなく、不要なことを的確に見定め排除していくことです。
そのためには無意味な雑用を断るだけでは不十分です
時には魅力的なチャンスを切り捨てることも必要になります
やることを減らし、人生をシンプルにして、本当に重要なことだけに集中するのです。
やるべきことを見失わないために
本書で示される、やるべきことを見失わなず本当に必要なことに注力することをエッセンシャル思考と呼びます。
その手法として必要なのが『見極める技術』『捨てる技術』『しくみ化の技術』です
見極める技術
ひとつめとして本当に大切なものを見極める技術をご紹介します
じっくりと考える余裕
じっくりと考えるためには集中しなくてはいけません。そして集中するためには、集中せざるをえない状況に自分を置く必要があります
あのアイザック・ニュートンは万有引力を論じた主著の執筆の際、2年間ほとんど一人きりで引きこもっていたということです。伝記ではニュートンの言葉として「万有引力の法則を発見できたのは考え続けていたから」と答えていたそうです
ただ集中すればいいのか?と思うかもしれないけれど、実はそんなに簡単なことではなく現代人が一つの物事に集中し続けるのは難しいです
最後にゆっくり座って集中して考え続けたのはいつでしょうか?
誰にも邪魔されないスペースで考えるためだけの時間を確保したのはいつでしょうか?
情報を集める時間
現代社会では日々出会う情報は膨大な量ですが、エッセンシャル思考の人は細部に気を取らわれません
洪水のような情報の中から本質をつかむことができます
大切なのはその情報をフィルタリングする仕組みです
ではどうすれば本質的な情報にたどり着けるのでしょうか?
日記をつける
人は忘れやすい生き物です。せっかく体験したことも片っ端から忘れます
たとえば先週の木曜日のランチはなんだったか?その前の週の月曜日の夕食は?ほとんどの人が思い出せないはずです。
日記は脳のバックアップ装置のようなものです
日記を継続させる秘密は書きすぎないこと。どうしてもいざ日記を書こうとするとはりきって何ページも書いてしまう人が多いがそれでは続きません
2日目、3日目には投げ出してしまう。
そうならないために最初は少なく出来事だけ簡単に書くようにしましょう。
現場を見る
問題の本質は常に現場にあります。
机上でいろいろと考えることも大切ですが、常に現場に目を向けることを意識しましょう。
普通を知り逸脱を探す
マリアム・セマーンはレバノン出身のジャーナリストでナイトフェロー研究員としてスタンフォード大学に招かれ、メディアにおけるイノベーションとデザイン思考を研究している専門家です
そんな彼女に仕事のコツを訪ねると「知識をつけること」と回答されました
ストーリーの本質に迫るためにはその話題を深く知っておくことが不可欠
事件をより大きな文脈のなかに置き、一見無関係な分野とのつながりを発見するのだと。
遊び心
人は大人になると遊び心を忘れます
当然といえば当然です。現代社会では効率こそが重要視される社会であり遊びは不要なものと考えられてきたからです
しかしながら、精神科医でナショナル・インスティテュート・フォー・プレイの創設者であるスチュアート・ブラウンは6,000人を対象に遊びと成長の調査を行ったうえで遊びが人間のさまざまな面に良い影響を及ぼすという結論を得て「遊びは脳の柔軟性と順応性を高め、創造的にしてくれます。
遊びほど脳を奮い立たせる行動はほかにありません」と言っています
十分な睡眠
睡眠不足が身体に悪影響をおよぼすことは広く知られている事実です
しかしながらそれでも睡眠を軽視し十分な睡眠時間を確保していない人が大勢います。
自分の最大の資産は自分自身です
その自分自身の健康が損なわれては何もできませんので意識して睡眠はしっかりと確保しましょう
捨てる技術
本当に大切なもの見極める技術の次に必要なものが不要なものを捨てる技術です。
ビジネスにおいてはこの捨てる技術がないと不要な仕事がどんどん舞い込んできてしまいます
その結果成功のパラドックスに陥ってしまうのです
ここではこの捨てる技術を紹介します
最終的な目標を明確にする
あなたの目的や戦略は明確ですか?と尋ねると「かなり明確です」という答えがよく返ってきます
しかし「かなり明確」では不十分なのです。必要なのは「完全に明確」な状態です
「これからの5年間でどんな仕事を成しとげたいのか?」という問いにとことん明確に答えられる人は少ないです
本書の著者が「完全に明確」に拘るのはそれが仕事の結果に直結すると考えているからです
目的が明確でないとき人はどうでもいいことに時間とエネルギーを浪費します
その弊害は大きく2つのパターンとして現れます
社内政治が蔓延するようになる
仕事の目的が明確でないと上司の気を引こうとして社内政治が蔓延します
仕事のゴールが見えずどうすれば勝てるか分からないので「上司の歓心を買う」という不毛なことにエネルギーを注ぐのです
当然、本来なら仕事に注ぐはずの時間とエネルギーは表面的な自己演出やご機嫌とりに費やされます
何でも屋になる
もうひとつのパターンはリーダーの求心力がなくなり各自がバラバラに動き出すことです
会社の明確な目的が見えないのでそれぞれが目先の利益のために行動するようになります
それぞれに悪気はなく各自では重要な仕事をしているにも関わらず、各自が別々の方向に進んだ結果チームとしてはどこにもたどり着けない
断固として断る
明確な目標を定めたらその目標に反することは断固として断る勇気が必要です
もしかしたらこれが一番難しいのかもしれません
断ることをスムーズに行うには上手に断る技術も必要です
ここではその断るための技術を紹介します
判断と関係性を切り離す
誰かに何かを頼まれたとき、私たちはそれを断ることとその相手との関係性を混同しがちです。
しかし頼まれごとを断ることと、相手との関係性は本来無関係です。
そのことは意識しておきましょう
直接的でない表現を使う
同じ断るにしてもはっきりと「ノー」と伝えるのではなく、「行きたいのはやまやまだが時間がない」「今は手がいっぱいで・・・」など直接的では無い表現を身につけましょう
トレードオフに目を向ける
自分がそれを請け負うことで自分が何を失うのか?
必ずトレードオフが発生しますのでそこに意識を向けましょう
相手から嫌われたくなくてイエスマンになっていると本当に大切なものを失うことになってしまいます
あいまいなイエスは迷惑
逆に時間がなかったり手が空いていなかったりするのに曖昧に引き受けられるのは相手に対して迷惑になることを認識しましょう
出来もしないのに引き延ばされたりするとその時間こそが全員にとっての無駄な時間となります
厳しいものは厳しいとハッキリと伝えましょう
一度手に入れたものでも手放す
人は一度手に入れたものを過大に評価する生き物です
しかしながら一度手に入れたものであっても不要なものであれば切り捨てなければいけません
しくみ化の技術
見極める技術、捨てる技術で「本当にやるべきこと」が明確になると後はそれをやり遂げなければ意味がありません。最後にしくみ化の技術をご紹介します
最悪の事態を想定する
バッファ(緩衝)とは二つのものがぶつからないようにするためのものです
環境擁護でのバッファ・ゾーンとは保護地域を公害や汚染から守るために外の世界との間に設けられた緩衝地帯のことです
バッファを設けることで周囲の悪影響が届かないよう設計されています
自分のスケジュールには常に意識的にバッファを設けていないと仕事は常に気体が空間を満たすように膨らみ続けます
仕事を減らし成果を増やす
一見すると矛盾しているようですが、エッセンシャル思考の人かそうでないかの境目は目の前の仕事や努力についてきちんと成果がでるものかどうか注意を払うかどうかだということです
忙しい人ほどここに注意を払わないまま安請け合いしてしまう傾向にあるのでしっかりと向き合いましょう
小さな一歩を積み重ねる
エッセンシャル思考でない人は何でも頑張ろうとする傾向にあります
しかし、ハーバード・ビジネス・レビューの有名な記事『モチベーションとは何か』によると人の意欲を高める主要因は「達成」と「達成が認められること」です
別の研究で数千人の日記を分析したものでも「日々のささやかな進捗」こそがやる気を引き出し高いパフォーマンスを可能にすると結論づけられたものがあります
最初から高望みして途中で挫折していたら何も残りません
少しづつでもいいので結果をだし、少しづつ積み上げていくべきなのです
まとめ
いかがでしたか?
このエッセンシャル思考を身につけることで日々の無意味な忙しさから解放され本当にやるべきことに向き合う時間が手に入るかもしれません
この記事はあくまでも要約としてエッセンスを簡潔にまとめたものですので気になる方は是非書籍を購入して読んでみてください
「エッセンシャル思考」著者グレッグ・マキューンの紹介
シリコンバレーのコンサルティング会社THIS Inc.のCEO。エッセンシャル思考の生き方とリーダーシップを広めるべく世界中で講演、執筆をおこない、アップル、グーグル、フェイスブック、ツイッター、リンクトイン、セールスフォース・ドットコム、シマンテックなどの有名企業にアドバイスを与えている。
ハーバード・ビジネス・レビューおよびリンクトイン・インフルエンサーの人気ブロガー。スタンフォード大学でDesigning Life,Essentiallyクラスを開講。本書および共著書『Multipliers:How the Best Leaders Make Everyone Smarter』は、ともに米国でベストセラー入りしている。2012年には世界経済フォーラムにより「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出された。