大統領と首相ってどう違うんでしょうね?
アメリカはトランプ大統領、日本は安部首相がいらっしゃいますね。
どちらも国の代表として仕事をされていますがその違いを明確に説明できる人も少ないのかもしれません。
二つの役職の立場の違い、持っている権限の違いなどについてまとめてみます。
大統領
大統領とは、まずは共和国の元首の呼称の一つになります。
この元首というのが大切で実は首相と大きく異なるポイントの一つです。
共和国というのはいわゆる国王などの君主がいない国をさします。
国によっては共和国大統領や連邦大統領と呼ぶ国もあります。
大統領は大統領選挙で選出される例が多いため、大統領が満期を迎えると再度選挙が行われます。
現在の主だった国の大統領は以下の通りです。
・フランス エマニュエル・マクロン
・ロシア ウラジーミル・プーチン
・ドイツ F・シュタインマイアー
・イタリア セルジョ・マッタレッラ
・ブラジル ジャイール・ボルソナーロ
・韓国 文在寅
大統領がいる国の統治
ヨーロッパからの移民で成り立っているアメリカでは当初より国王が存在せず大統領が元首であった。初代大統領は言わずと知れたジョージ・ワシントンです。
アメリカの大統領は、国家元首と同時に首相を兼ねており大きな権力をもっている。
韓国も大統領制の国です。韓国の大統領は行政の長として警察や検察、直属の情報機関を管轄し、さらに司法の長である大法院院長の任命権がある。また、国会が議決した法案に対する再審議要求権を有していることから韓国大統領には行政権全般だけではなく立法権や司法権にも影響を及ぼす権限を与えられている。
大統領と首相が両立している国としては、フランス、ロシア、韓国などがあるが力関係は国によって大きく異なる。
フランスの場合、外交は大統領、内政は首相というように役割が分担されています。
ドイツは政治的には首相が権力を握っていいます。ニュースなどでメルケル首相が目立つのはそのためです。
首相
首相という言葉は主席の宰相ないし大臣を指します。議員内閣制を採る国の内閣における首席の大臣という位置づけです。
言葉自体に元首という意味がある大統領とはこの点も違いの一つとなります。
閣僚の首席の名称は国によってそれぞれ異なっているが、日本においては閣僚の首席の正式名称は内閣総理大臣となり首相はあくまでも通称となります。
議院内閣制の国家においては首相が政府の長であり閣議を主宰しています。
君主の権限の強い国では君主が閣議を主宰したり、首相を置かなかったりすることもあるそうです。
議院内閣制の国の場合は、日本やドイツのように議会の指名に基づいて任命する国もあります。前任の首相の助言や政党などの推薦と慣例に基づいて任命し、議会の承認をとらないイギリスのような国もあるようです。
アメリカと日本の違い
選ぶプロセスの違い
日本の首相は国会議員の中から選出されます。なので日本の首相は交代する時に国民は参加せず国会の中で決めることになるということです。一方アメリカ大統領の選出方法は普通の方がイメージする直接選挙とは異なりますが国民が選ぶ形を採っています。
権力の帰属の違い
合衆国憲法第2条に「行政権は大統領個人に属する」と規定されています。一方で日本国憲法第65条において「行政権は内閣に属する」と規定されており首相個人に帰属するわけではありません。
アメリカの大統領はすべての官僚を指揮する権力構造となっていて各省の長官だけでなくその下の幹部まで任命します。
日本の首相は各省庁の大臣を指揮するのみであり、実際に各省庁の官僚に指示をだすのは各省庁の大臣なので指揮権が間接的になります。
2020年に発生したコロナウイルス対策においては首相の指示通りに官僚が動いていなかったのではないか?という指摘もありました。
※実際のところがどうだったのかはコロナウイルス終息後の検証が必要だと思います。
大統領(首相)と議会の関係
議院内閣制をとる日本では、首相および内閣と国会の多数派が同じ政党となりますので行政が必要とする法律が比較的スムーズに認められます。
一方でアメリカにおいては大統領が連邦議会の議員とは別々に選出されるため、議会の多数派と大統領が所属する政党が一致しない場合もあります。